これまで診療報酬請求やレセプトについて書きましたが、今回はレセプトの記載内容についてもう少し詳しくまとめてみます。
レセプトは「診療報酬明細書」という名称の資料が作成されます。
前回書いたように、レセプトは外来と入院で区別して作成されます。
また、医科・DPC・歯科・調剤でレセプトの記載内容は異なりますが、以下では医科のレセプトについて、具体的な記載内容を書きたいと思います。
まず、レセプト冒頭に診療年月、都道府県番号、医療機関コード、患者の加入保険の種類、保険者番号、被保険者証等の記号・番号、氏名、生年月日が記載されます。その他、公費負担や職務上の事由があればその情報も記載されます。
次に疾病名、疾病名毎の診療開始日、診療実日数を記載します。その他、治ゆ、死亡、中止等があればその情報も記載されます。
ここまでは外来と入院で記載内容は、多少の違いがあれ、ほぼ同一です。
その後、外来と入院では微妙に違いますが、診療点数と診療行為等を記載(後述)し、最後に請求する合計点数を記載します。
これに加え、入院では入院時の食事療養費と生活療養費の金額とそのうちの患者負担額を巻末に記載します。
診療点数と診療行為等を記載する場合、以下の項目別に区別して記載・点数集計することとなります。
11初診料、12再診料、13医学管理等、14在宅医療、20投薬、30注射、40処置、50手術、50手術(輸血)、50麻酔、60検査(検体検査)、60検査(生体検査)、60検査(診断穿刺・検体採取料)、60病理診断、70画像診断、80リハビリテーション、80精神科専門療法、80放射線治療、90入院(入院料・加算)、92入院(特定入院料)、80・92入院(短期滞在手術等基本料)、97入院時食事療養費、97入院時生活療養費
例えば、11初診料は、時間内診療を中心に、それに時間外、休日、深夜等に診療すると加算がつきます。また、かかりつけ医制度のところで書いた機能強化加算も初診料に加算されます。
また、12再診料は外来のみ算定されます。
80・92入院(短期滞在手術基本料)について、日帰り手術は外来(80入院(短期滞在手術等基本料))に、1泊2日以上の手術は入院(92入院(短期滞在手術等基本料))に記載されます。
それぞれ診療報酬点数表に決まった点数を記載していくことになりますが、量が膨大であり、医師・医療事務の間で連携があっても、これを漏れなく正確に記載していくことは本当に大変な作業だと思います。
電子化が進んでいますが、入力するのは人間ですので、失念等防止のため、二重チェック等を行うことが本当に重要になります。