努力は量・質・ベクトルが必要

前回は資格取得のための驚異的勉強法という、多少、大げさなタイトルにしましたが、そこで紹介した資格の勉強方法は、実は万能ではありません。

この勉強方法が有効なのは、以下のような資格です。

総合問題形式型の方は、私が学習経験のある資格でいうと、公認会計士・税理士・簿記・診療報酬請求事務能力認定試験(実技試験)の計算問題や演習問題などです。

同じくマークシート形式型の方は、宅地建物取引士・診療情報管理士・診療報酬請求事務能力認定試験(学科試験)などです。

一方、この勉強方法だけでは不足なのは、以下のような資格です。

1つのテーマに対して、ひたすら文章を書き続ける公認会計士・税理士の論文問題は、

問題で問われている論点を正確かつ的確に限られた時間内で書かなければならないため、文章テクニックが多少必要になってきます。

マークシート形式型+文章テクニックの学習が必要ですので、プラスアルファで専門学校や通信教育で解答を採点・添削してもらい、文章でうまく伝えるための演習が必要になります。

また、TOEICのような英語の試験も、この勉強法だけでは不足します。

マークシート形式型+リスニングテクニックの学習が必要ですので、繰り返しリスニングの演習をする等の対策が必要になります。何度も聞いていれば自然に聞こえるようになると言われますが、私はいまだに聞き取れずリスニングが不得意のため、なかなか点数が伸びません…。

ただし、ほとんどの資格試験が、マークシート・計算問題・実技試験ですので、総合問題形式型またはマークシート形式の学習で対応できるのではないかと思います。

私の持論ですが、努力は量+質+ベクトルを備えて、はじめて報われると思います。

一般的には量+質と言われ、ベクトルは質に含まれるとの主張があるかもしれません。

しかし、私はベクトルを明確に表したほうがよいと思います。

スポーツの話をすると、サッカーW杯直前のテストマッチが好調で、W杯前の記者会見で「自分たちのサッカーをすれば勝てる」といったコメントが多い時、W杯本番での結果はあまりよくない印象があります。

オリンピックでも絶対的な金メダル候補が、「これまで頑張ってきたけど、希望のメダルは取れませんでした」という言葉を何度か聞いた覚えがあります。

これらの大会に出場するだけでもすごいことですので、悪く言っているわけではないのですが、前評判が高いとやはり多くを期待してしまいます。

勝者は勝つための戦略を綿密に立て、それに従った練習をしてきたので勝っている、つまり戦略というベクトルがうまく合った努力をしたので結果を残せたと思います。

敗者も勝つための戦略を立てていると思いますが、勝者の方がそれを上回っていた、または、方向性が微妙にずれていたのではないかと思います。

もちろん運もあり、たまたまの要素も多分にあるのは否定できません。

しかし、世界一という最高峰の結果を求めるのではなく、多数が合格する資格試験であれば、「ベクトル=努力の方向性」を間違えず、量と質を兼ね備えた努力をすれば、効率的に成果が得られるのではないかと思います。

資格試験では過去問分析による勉強方法の確立がベクトルではないでしょうか?

本試験に近い問題をいきなり解答する勉強方法をおすすめするのは、学習初期の段階からベクトル合わせができるメリットがあるからです(上記のようにプラスアルファの勉強が必要な資格もありますので、万能ではありませんが…)。

ここまでは私の個人的な意見ですので、反論される方もいるとは思います。

そういう方は、前回と今回の記述は見なかったことにして、忘れてください。

ただ、共感できる部分がある方は、是非試してみてください!