病院・診療所の区分

前回は急性期病院という言葉が出てきましたが、病院はいろいろと区分があります。

今回は、簡単ではありますが、病院の区分をいくつか書いていきたいと思います。

まず、風邪などの大きな病気ではない場合、病院や診療所(クリニック)に駆け込みます。両者は診療するという意味では同じですが、厳密には違います。

病床(ベッド)が20床以上あるのが病院、病床がないまたは19床以下の病床があるのが診療所と区分されています。これは医療法という法律による区分です。

このように病院は、病床(ベッド)によって区分されることが多いです。

病院の病床は一般病床・療養病床・精神病床・感染症病床・結核病床という5つに分類されています。これも医療法という法律による区分です。

また、前回書きましたが、病床の機能により、病院は、急性期(病気にかかりはじめた患者受入)・回復期(リハビリ等で治癒を目指す患者受入)・慢性期(長期的な病気の治療と向き合う患者受入)に区分することができます。

これは、病院が病床において主に担っている医療機能を⾃主的に選択して都道府県に報告した区分で、病院が地域の医療計画等を策定する地方自治体に報告した区分と言えます。

前述の医療法での病床区分のうち一般病床・療養病床について、簡単に言うと一般病床は主に急性期医療を提供する病床、療養病床は長期療養するための病床と言えます。

また、精神病床・感染症病床・結核病床は、一般病床・療養病床とは別の管理が必要なことから区分されています。結核病床も感染症ですが、結核だけは感染症病床とは別に結核病床に入院することとなります。

これ以外にも、急性期の病院では、救急搬送の受入態勢により、第一次救急、第二次救急、第三次救急という区分がされることがあります。

第一次救急は、入院による治療の必要がなく、外来で対処する帰宅可能な軽症患者に対応する救急医療を言います。休日夜間急患センター・救急(休日)歯科診療室や当番病院・診療所などが対応します。

第二次救急は、入院による治療や手術を必要とする重症患者に対応する救急医療を言います。輪番制に参加する救急患者を受け入れる病院が順番で夜間、日曜祝日、年末年始に対応します。

第三次救急は、二次救急まででは対応できない一刻を争う重篤な救急患者に対応する救急医療を言います。複数診療科にわたる高度な処置への対処が可能な救命救急センターや高度救命救急センターが対応します。

これだけではないですが、これまで書いてきたような区分が、よく聞く病院の区分ではないでしょうか?

医療機関は、上記の区分を考慮して、自分の病院・診療所の特色を出そうしています。

今度、病気で通院・入院するようなことがあったら、自分が受診した病院はこれのどれに当たるのかを確認してみてもよいと思います。

これまでと違った見方ができ、つらい通院・入院も少し気分転換できるかもしれません。