相続財産の評価(その15)

前回は、相続財産の評価で土地等の評価上の区分や地積についてまとめましたが、今回は土地の評価単位について書いていきます。

土地の評価単位は、前回書きました土地の評価上の区分(①宅地、②田、③畑、④山林、⑤原野、⑥牧場、⑦池沼、⑧鉱泉地、⑨雑種地)ごとに定めがあります。なお、土地の上に存する権利の評価単位についても同様です。

まず、①宅地は、1画地の宅地(利用の単位となっている1区画の宅地)が評価単位となります。ただし、1画地の宅地は、必ずしも1筆の宅地からなるとは限らず、2筆以上の宅地からなる場合もあり、1筆の宅地が2画地以上の宅地として利用されている場合もあることに留意する必要があります(次回、詳述します)。

次に、②田および③畑(以下「農地」)は、1枚の農地(耕作の単位となっている1区画の農地)が評価単位となります。ただし、市街地周辺農地、市街地農地および生産緑地は利用の単位となっている一団の農地が評価単位となります。ただし、1枚の農地は、必ずしも1筆の農地からなるとは限らず、2筆以上の農地からなる場合もあり、また、1筆の農地が2枚以上の農地として利用されている場合もあることに留意する必要があります。

また、④山林は、1筆の山林が評価単位となります。ただし、市街地山林は利用の単位となっている一団の山林が評価単位となります。⑤原野は、1筆の原野が評価単位となります。ただし、市街地原野は、利用の単位となっている一団の原野が評価単位となります。

さらに、⑥牧場および⑦池沼は、原野に準ずる評価単位となります。⑧鉱泉地は、原則として、1筆の鉱泉地が評価単位となります。

最後に、⑨雑種地は、利用の単位となっている一団の雑種地(同一の目的に供されている雑種地)が評価単位となります。ただし、市街化調整区域以外の都市計画区域で市街地的形態を形成する地域において、宅地と状況が類似する雑種地が2以上の評価単位により一団となっており、その形状、地積の大小、位置等からみてこれらを一団として評価することが合理的と認められる場合には、その一団の雑種地ごとに評価します。なお、いずれの用にも供されていない一団の雑種地については、その全体が「利用の単位となっている一団の雑種地」となることに留意する必要があります。

なお、①宅地、②田、③畑、④山林、⑤原野、⑨雑種地については、贈与・遺産分割等による分割が親族間等で行われた場合で、例えば、分割後の画地が宅地等として通常の用途に供することができないなど、その分割が著しく不合理であると認められ場合は、その分割前の画地が1画地の宅地等となります。

次回以降も相続財産の評価について触れていきます。