相続財産の評価(その21)

前回は、相続財産の評価で通常の借地権の評価方法についてまとめましたが、今回は貸宅地の評価方法について書いていきます。

相続財産において、貸宅地(被相続人が貸手)についても、前回の借地権同様、権利金等を支払う取引慣行がある地域とない地域で評価が異なります。

権利金等を支払う取引慣行がある地域において、貸宅地は、自用地としての価額に(1-借地権割合)を乗じた金額で評価します。

また、権利金等の収受の代わりに、相当の地代を収受している場合は、自用地としての価額に80%を乗じた金額で評価します(相当の地代を収受していない場合でも貸主・借主の一方(または両方)が法人で土地の無償返還届出書を提出した場合も同様)。

さらに、使用貸借による土地の貸付けで土地の貸主・借主ともに個人の場合も評価しません。しかし、同じ使用貸借でも貸主・借主の一方(または両方)が法人で土地の無償返還届出書を提出した場合は、自用地としての価額で評価します(貸主・借主ともに個人で土地の無償返還届出書を提出していない場合も同様)。

なお、上記以外は自用地としての価額や借地権割合等を加味して、貸宅地の価額を計算します(算式:自用地としての価額–自用地としての価額 × 借地権割合 × (1 – (実際地代(年額) – 通常地代(年額)) / (相当地代(年額)–通常地代(年額)))。

一方、権利金等を支払う取引慣行がない地域では、自用地としての価額に80%を乗じた金額で評価します

今回も短かったですが、次回以降も相続財産の評価について触れていきます。