相続財産の評価(その23)

前回は、相続財産の評価で貸家建付地等の評価方法についてまとめましたが、今回は定期借地権等の土地の権利の評価方法について書いていきます。

定期借地権等の価額は、原則として、相続時において借地権者に帰属する経済的利益および存続期間を基として評定した価額によって評価します。
ただし、課税上弊害がない限り、以下の算式で計算した金額で評価します。

定期借地権等が設定されている宅地の相続時における自用地としての価額

×設定時の借地権者に帰属する経済的利益総額÷設定時の宅地の通常取引価額

×相続時の残存期間年数に応ずる基準年利率による複利年金原価率÷設定期間年数に応ずる基準年利率による複利年金原価率

上記の「設定時の借地権者に帰属する経済的利益総額」とは、以下の金額を言います。

まず、定期借地権等の設定時において、借地契約終了時に返還されない金銭の支払または財産の供与(権利金等)がある場合は、相続時に支払われるべき金額または供与すべき財産の価額に相当する金額で評価します。

次に、定期借地権等の設定時において、借地契約終了時に返還される金銭等(保証金等)の預託があった場合に、保証金等につき基準年利率未満の約定利率による利息の支払があるケースまたは無利息のケースは次の算式により計算した金額で評価します。

保証金等相当額

-(保証金等相当額×定期借地権等の設定期間年数に応じる基準年利率による複利現価率)

-(保証金等相当額×基準金利率未満の約定利率×定期借地権等の設定期間年数に応じる基準年利率による複利年金現価率)

最後に、定期借地権等の設定時において、実質的に贈与されたと認められる差額地代額がある場合は、差額地代額×設定期間年数に応じる基準年利率による複利年金現価率の金額で評価します。ここで、差額地代額は同種同等の他の定期借地権等における地代額との差額を言います。

次回以降も相続財産の評価について触れていきます。