今回は資格試験の効率的な学習方法について考えていきます。
資格試験の勉強方法として、テキストを頭から隅々まで読んで、2~3回転したら、過去問を解いて本番に臨むという方法がまず思い浮かぶでしょう。
確かにこの方法は王道です。
しかし、最大の欠点は試験日までに時間切れとなる可能性があることです。
テキストを1回転半位まで読んだが、時間切れのためそのまま過去問も解かず、試験を受けることになる可能性があります。
試験日1週間前位が追い込みで、一番学習効果の高い期間ですが、間に合わないと諦めて、そこで何もしなくなってしまうのです。
私も公認会計士試験の1回目受験までは、そのような勉強方法をとっていました。
しかし、そもそもテキストを頭から隅々まで読むことは退屈で、集中力が続かず、すぐ飽きてしまいます。
これでは到底続かないと、この方法を捨て、公認会計士試験の2回目受験からは本試験に近い総合問題形式の問題を解くことをメインにし、テキストは辞書代わりに使いました。
こうすることで、本試験で総合問題に似た形式の問題が出たら確実に点数が取れる状態が、初期の段階で作れます。
また、問題を解いているうちに、どんどん正答率が高まっていくので、ゲーム感覚で勉強ができ、勉強が楽しくなっていきます。
公認会計士試験合格後に取得した診療情報管理士も同様で、いきなり問題集から解き、テキストを辞書代わりにしました。問題集を4回転することで1発合格できました。
このような勉強法は、はっきり言って邪道です。非常識な勉強法です。
ただ、時間が限られた中で、資格取得という結果を出すために、最も効率的な勉強法だと私は思います。勉強する時間が限られている会社員の方には、特におすすめです。
いきなり総合問題を解いても全く分からないので、意味がないと言われるかもしれませんが、確かに1問目は時間ばかりかかって考えて何も分からず、解答用紙が白紙に近いかもしれません。また、その解説を読み、解答パターンを暗記するのにかなりの時間を要します。
しかし、続けて2問目に入ると半分くらいの時間で、もっと解けるようになります。
3問目以降は、解ける問題が増えてきて、勉強が面白くなります。総合問題形式は大体パターンがあるので、パターンにはまる部分は3問目くらいから楽に解答できるようになるからです。
とにかく総合問題をまず3問解いてみてください。4問目以降は初見の箇所を上積みしていくだけになっていきます。
また、マークシート形式で全範囲に出題可能性がある資格試験の場合は、全範囲を網羅した本試験に近い問題集(過去問集でもよい)をとりあえず2回転してください。1回転目は問題肢の横に正解(〇か×)を書き、×の問題は間違えている箇所に下線を引き、メモを書いておきます。そうすれば2回転目から巻末の解答・解説を見る時間が極端に短縮されます。3回転目から急に解けるようになりますが、その際、解けない問題や苦手な問題にマークをつけておきましょう。そこまできて時間があったら、問題集に出ていない箇所だけピックアップしてテキストを読んでいきましょう。読みながら試験に出そうと思う箇所にマークをしておきます。
試験日3~7日前位で問題集の4回転目に着手し、マークを付けたところを重点的に、強弱をつけながら高速回転すれば、かなり合格する可能性が高まります。
これに対して、資格勉強は実務に使う知識を学ぶ機会なので、このような勉強法では実務に役立たないという意見もあるでしょう。
しかし、資格を取ってしまえば、こっちのものです。資格者が試験範囲のことについて知らないとなると実務で恥をかく場面に出くわすので、こっそり自己学習をするようになります。合格という嬉しい成功体験があるので、このような勉強も楽しく、自ら進んで勉強するようになります。
一方、基礎が大事と考え、テキストの頭から読んでいく方法だと、退屈で集中力が続かず、途中で投げ出しかねません。資格を取るまでに全範囲を網羅しようとしても、まだ資格者じゃないからと甘えが出てしまい、後回しにしがちです。
また、最大の欠点が、試験日直前の最大の学習効果が上がる時期に、問題集やテキストの高速回転ができないことです。時間切れでどうせ受からないと諦めてしまうくらいなら、せめて過去問程度の問題が出題されたならば解答できるというレベルまでにはもっていきましょう。たとえ不合格でも善戦したら、絶対来年とってやると欲が出てくるものです。
人によって合う方法が違うので、一概に絶対的な方法とは断言しません。合わない人もいるでしょう。
ただ、何度も資格試験に落ちて勉強法が分からないという方やいつも途中で投げ出してしまうという方は、是非試してみてください。
違う世界が見えてくるかもしれません。
最短の時間で最高の結果が出ることを祈念しております!