前回は贈与税の非課税の制度に関して、(1)住宅取得等資金に関する贈与税の非課税に関する制度概要と非課税限度額についてまとめてきましたが、今回は(1)住宅取得等資金に関する贈与税の非課税に関する適用要件について書いていきます。
この(1)住宅取得等資金に関する贈与税の非課税に関する適用要件ですが、「受贈者」と「住宅用家屋の取得または増改築等」に分かれます。
まず、「受贈者」ですが、以下の要件の全てを満たす場合に対象となります。
①贈与時に贈与者の直系卑属、②贈与年の1月1日に20歳以上、③贈与年の所得税に係る合計所得金額が2,000万円以下、④平成21~26年分まで「住宅取得等資金の非課税」に係る贈与税申告がない場合(一定の場合を除く)、⑤自己の配偶者、親族等の一定の特別関係者から住宅用家屋の取得、または、これらの者との請負契約等による新築・増改築等ではない場合、⑥贈与年の翌年3月15日までに住宅取得等資金を住宅用家屋の新築等に全額充当し、受贈者が住宅用家屋を所有、⑦贈与時に日本国内に住所がある場合(一定の場合を除く)、⑧贈与年の翌年3月15日までに家屋に居住の場合、または、同日後遅滞なく家屋への居住が確実と見込まれる場合(翌年12月31日までに家屋に居住)
次に、「住宅用家屋の取得または増改築等」ですが、以下の要件を満たす場合に対象となります。なお、住宅用家屋は日本国内にあるものに限られます。
(A)新築または取得の場合の要件
(a)新築または取得した住宅用家屋の登記簿上の床面積(マンション等の区分所有建物は専有部分の床面積)が50 以上240 以下、かつ、家屋の床面積の50%以上が受贈者の居住用
(b)取得した住宅が、{1}建築後使用されたことのない住宅用家屋、{2}建築後使用されたことのある住宅用家屋で取得日以前20年以内(耐火建築物の場合は25年以内)に建築、{3}建築後使用されたことのある住宅用家屋で地震に対する安全性基準への適合が一定書類で証明、{4}上記{2}および{3}のいずれにも該当しない建築後使用されたことのある住宅用家屋で、住宅用家屋の取得日までに、同日以後に行う住宅用家屋の耐震改修を一定の申請書等で都道府県知事等に申請し、かつ、贈与の翌年3月15日までに耐震改修で住宅用家屋が耐震基準に適合することを一定の証明書等により証明
(B)増改築等の場合の要件
(a)増改築等後の住宅用家屋の登記簿上の床面積(マンション等の区分所有建物は専有部分の床面積)が50 以上240 以下、かつ、家屋の床面積の50%以上が受贈者の居住用
(b)増改築等工事が、自己所有、かつ、居住家屋に対して行われたもので、一定の工事に該当することについて、「確認済証の写し」、「検査済証の写し」または「増改築等工事証明書」等の書類により証明
(c)増改築等工事の費用額が100万円以上(増改築等工事の費用額の50%以上が自己の居住用部分の工事であること)
なお、上記要件のうち「住宅用の家屋の新築」には、新築家屋の土地等または住宅の新築に先行する土地等の取得を含み、「住宅用家屋の取得または増改築等」には、住宅の取得または増改築等の土地等の取得を含みます。
次回も贈与税について触れていきます。