漠然と起業・独立開業したいけど、どういう分野に進めばいいのかわからない方は、趣味でも何でもよいので、自分に興味のある分野を深堀りしてみましょう。
その中からビジネスにつながるヒントが見つかるかもしれません。
一方、起業・独立開業したい分野があるけれども、踏ん切りがつかない方は、前に書いたように家族を説得することから始めましょう。
事業の将来性について、情熱をもって話をすれば、家族が賛成してくれることもあるでしょう。
しかし、それだけでは反対される場合が多いと思います。
具体的に説得力をもって説明できるのは、数字の力を借りることです。
まずは、説得の材料として、どれくらい利益が取れる事業なのかを計算してみましょう。
紙やエクセルに1年間でどれくらいの売上があがるのかを試算し、3年分くらいまで書き出してみましょう。
売上は単価×数量です。
単価は業界平均をインターネットや人に聞くなどして調べてみるとよいでしょう。
平均単価より付加価値を付けて高く売りたい方はそれより高く、薄利多売を狙うならそれより低く、設定することとなります。
数量は、単価と潜在ニーズからどれくらいの数量を売れるかを予想してみましょう。1年目は知名度が高くないので少なめの予想にして2年目・3年目と段々増えていくように設定するのが一般的です。
しかし、ニーズが高いにも関わらず市販されておらず、独自ノウハウまたは独創的な企画等で自分だけが世に送り出せる商品で、最初から爆発的に売れるものなら、1年目は多めの予想をします。そして、すぐにキャッチアップされて競合商品が出てきたり、あっさり飽きられそうな商品なら、2年目・3年目と徐々に減っていくように設定しましょう。
売上の予想がついたなら、そのためにかかる費用を調査して計算する必要があります。インターネットや場合によっては業者に見積書を出してもらうのもよいでしょう。
人を雇うなら給与・社会保険料等の人件費、オフィスや倉庫を借りるなら地代家賃、高額な資産を購入するなら減価償却費(いつか詳しく書きますが、ここでは高額な資産の購入価格等を一定の年数にわたって費用とできるものと思っていてください)などが主要な費用で、その他水道光熱費や接待交際費等も考慮に入れる必要があります。
あわせてどれくらい資金を用意しておく必要があるか、自己資金と銀行からの借入金をいくらぐらいにするかも検討が必要でしょう。
売上から費用を引いたものが利益です。
減価償却費がない場合を前提とすると、基本的にはこの利益で借入金を返済していく必要があります。
3年間の利益から借入金返済額を控除した金額がプラスの金額なら、事業化を考えてみてもよいかもしれません。プラスの金額なら家族にも説得力をもって説明することができるのではないでしょうか?
少ないリスク・金額で副業から始められるのなら、少しずつ始めてみて、事業になると見込めた時点で本格的に起業・独立開業してもよいでしょう。
しかし、実際には売上の見込みが現実よりも多すぎたり、費用の見積もりが甘く少なすぎたりするのが一般的です。先ほど減価償却費も計算もよくわからなかったりします。いざ起業・独立開業することを決めたなら、税理士等の専門家に、その利益予想が現実的であるかを聞いてみるとよいでしょう。
特に銀行から創業融資を借りる場合、創業時の事業計画書の作成・説明が求められるので、そこで十分な説明ができるように専門家と事前に擦り合わせてことが重要です(創業時の事業計画書や手続等は、後日、回を改めて書きます)。
高額な資産購入等が決まった後で、銀行から創業融資を受けられないという事態になるとそれまでの努力が水の泡ですので、資金に関することは真っ先に専門家に相談するのがベターです。
比較的、独立開業しても堅実と言われているのは、資格を生かして事業を始める場合です。難関と言われる資格ほど、市場のニーズも高い傾向がありますので、独立志向が強い方は資格をとるのも一つの手です。
コミュニケーション能力や商売上手かどうかという面もあるため、資格を取ったからと言って確実に儲けられるわけではないのですが、人より劣っていないというレベルであれば、資格取得に挑戦して、将来の独立を夢見てよいでしょう。
夢を具体的な形で書き出してみましょう!