介護給付と予防給付

前回は、要介護認定および要介護・要支援について少し触れたので、今回は介護給付と予防給付について少し詳しくまとめてみます。

介護給付は、介護が必要と認められた方に介護サービスの費用が給付される介護保険の保険給付を言います。

介護給付の対象は、要介護1~5の方になります。

要介護1~5の方は、ケアマネージャーが介護サービスの内容やスケジュール等に関するケアプランを作成します。

介護給付は、原則として、介護サービス費用の9割を介護保険が負担し、自己負担は1割となりますが、施設サービス利用時のいわゆるホテルコスト(居宅費(家賃・光熱費)や食費等)は原則自己負担となります。

要介護1~5の方は、居宅サービス、地域密着型サービス、施設サービスを利用することができます。

居宅サービスは、利用者の自宅を施設職員が訪問する場合と利用者が自宅から施設に通所する場合があります。具体的には、主に[訪問]訪問介護、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、[通所]通所介護、通所リハビリテーション、[短期入所]短期入所生活介護、短期入所療養介護などがあります。

地域密着型サービスは、介護が必要な利用者が自宅で生活できるようなケアを提供するサービスになります。具体的には、主に認知症対応型通所介護、認知症対応型共同生活介護、小規模多機能型居宅介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、地域密着型通所介護などがあります。

施設サービスは、利用者が施設に入所して提供されるサービスになります。具体的には、介護老人福祉施設、介護老人保健施設(老健)、介護療養型医療施設、介護医療院があります。

介護老人福祉施設は、特別養護老人ホーム(特養)と言われ、原則として要介護3以上の方に入所が制限されます。特別養護老人ホームは、高齢者向け施設の中でも費用が安く、退所条件が厳しくないこともあって、希望者が多く入所待機者も増加傾向です。

他方、予防給付は、支援が必要と認められた方に介護予防サービスの費用が給付される介護保険の保険給付を言います。

予防給付の対象は、要支援1・2の方になります。

要支援1・2の方は、地域包括支援センターの保健師等が介護予防ケアプランを作成します。

予防給付も介護給付同様、原則として、介護予防サービス費用の9割を介護保険が負担し、自己負担は1割となります。

要支援1・2の方は、居宅サービスと地域密着型サービスを利用することができますが、施設サービスは利用できません。

居宅サービスは、主に[訪問] 介護予防訪問入浴介護、介護予防訪問看護、介護予防訪問リハビリテーション、[通所] 介護予防通所リハビリテーション、[短期入所]介護予防短期入所生活介護、介護予防短期入所療養介護などがあります。

地域密着型サービスは、主に介護予防認知症対応型通所介護、介護予防認知症対応型共同生活介護、介護予防小規模多機能型居宅介護があります。

また、要介護・要支援の認定を受けている方は、一定の条件を満たせば、車いす等の福祉用具に関するレンタル・販売を介護保険で受けられる場合もあります。

特別養護老人ホームの待機待ちの問題等がありますが、人生の晩年を迎えた高齢者が望む介護サービスが等しく受けられるような世の中に早くなって欲しいものです。