前回、障害福祉サービスについて少し触れましたが、今回は、障害福祉サービスの利用について少し詳しくまとめてみます。
障害福祉サービスを利用する場合、居住地の市町村に支給申請します。
障害福祉サービスの支給申請を受けた市町村は、まず、障害支援区分などの認定調査を実施します。
ここで障害支援区分とは、障害者等に対する障害福祉サービスの必要性を明らかにするため、障害者等の心身の状態を総合的に示す区分を言います。
障害支援区分は、調査員による認定調査の結果や主治医の意見書などに基づいて、一次判定(コンピュータ)と二次判定(市町村審査会)を経て、非該当と区分1~6の7段階で支援区分認定が行われます。障害支援区分は、一旦認定されると大きな状況変化がない限り、原則として3年間有効です。
障害支援区分の認定後、市町村にサービス等利用計画案(計画相談支援)を提出し、これに基づいて支給決定を判定することとなります。また、障害児が障害児通所支援を利用する場合、サービス等利用計画案に相当する障害児支援利用計画案(障害児相談支援)を提出する必要があります。
市町村は、障害福祉サービスの一環として相談支援業務を行っており、障害者はサービス等利用計画案の作成・提出に当たって、市町村より委託を受けた相談支援事業者から必要なサービス内容等のアドバイスを受け、また支給申請手続の代行を依頼することができます。
相談支援事業者には、指定一般相談支援事業者と指定特定相談支援事業者があります。
サービス等利用計画案は、障害者自身が作成することも可能でセルフプランと呼ばれていますが、ケアマネジメント制度に基づき、一般的には指定特定相談支援事業者が作成しております。
ここでケアマネジメント制度とは、障害者本人の意向を尊重し、福祉・保健・医療・教育・就労等の幅広いニーズに対応した様々なサービスを総合的かつ継続的に提供するという障害者ケアマネジメントの考えに基づき、利用者のプラン設計や相談支援等のサポートなどをする制度を言います。
その後、障害福祉サービスの支給決定が行われると、利用者・家族や障害福祉サービス提供事業者等を交えてサービス担当者会議で協議し、サービス等利用計画書が作成されます。
サービス等利用計画書に基づき、利用者は障害福祉サービス提供事業者と契約を結び、障害福祉サービスの提供が行われます。サービス等利用計画の作成に関して、利用者の費用負担はありません。
サービス等利用計画に沿って障害福祉サービスの提供が開始されたならば、モニタリングにより利用者の状況を定期的に確認し、計画の見直しを行います。
このように、細かい部分に差異はありますが、障害福祉サービス提供までの一連の流れは介護サービス提供と概ね似たような流れで運用されております。
心身等の不自由さから支援を必要とする利用者を、行政や民間事業者とともに地域で支えていく点で共通しているからだと思われます。 障害福祉サービスや介護サービスの充実で、地域に住むすべての方にとって、快適で充足した社会になることを心より祈念しております。