今回も、前回の続きで障害福祉サービスの内容(その3)について詳しくまとめていきます。
前回まで自立支援給付の介護給付費と訓練等給付費について詳しく述べましたが、今回は自立支援給付のうちの自立支援医療費、計画相談支援給付費、補装具費と地域生活支援事業について書きます。
まず、自立支援給付の自立支援医療費ですが、心身の障害を除去・軽減するための医療について、医療費の自己負担額を軽減する公費負担医療制度のことを言います。精神通院医療(精神疾患があって通院による継続的な精神医療が必要な方)、更生医療(身体障害者手帳の交付を受けた18歳以上で治療の効果が期待できる方)、育成医療(身体に障害を有する児童(18歳未満)で治療の効果が期待できる方)が対象になります。世帯や本人の所得や高額治療継続者の当否に応じて医療費の自己負担額が軽減されます。
自立支援給付の計画相談支援給付費は、障害福祉サービスの利用のところで書きましたが、障害福祉サービス等を申請した障害者(児)について、サービス等利用計画等の作成や支給決定後のサービス等利用計画等の見直し(モニタリング)を行った場合は、計画相談支援給付費又は障害児相談支援給付費が支給されます。また、指定一般相談支援事業者が地域移行支援・地域定着支援を行った場合、地域相談支援給付費が支給されます。
自立支援給付の補装具費は、義手・義足等で一定の要件を満たす補装具の購入または借受に対して、補装具費として代金の一部が支給されます。支給決定を受けた障害者は補装具費支給券が交付されるので、補装具の購入または借受後、補装具費支給券を市町村に提出することで支給されます。支給方法は、償還払方式(補装具費支給券を利用者が提出)と代理受領方式(補装具費支給券を業者が提出)があります。
最後に、地域生活支援事業ですが、市町村・都道府県等において、障害者(児)の自立した日常生活または社会生活が可能になるように、地域の特性や利用者の状況に応じ、柔軟な形態により行う事業のことを言います。
市町村と都道府県でそれぞれ必須事業が定められています。
市町村の必須事業は、①理解促進研修・啓発事業、②自発的活動支援事業、③相談支援事業、④成年後見制度利用支援事業、⑤成年後見制度法人後見支援事業、⑥意思疎通支援事業、⑦ 日常生活用具給付等事業、⑧手話奉仕員養成研修事業、⑨移動支援事業、⑩地域活動支援センター機能強化事業があります。
都道府県の必須事業は、①専門性の高い相談支援事業、②専門性の高い意思疎通支援を行う者の養成研修事業、③専門性の高い意思疎通支援を行う者の派遣事業、④意思疎通支援を行う者の派遣に係る市町村相互間の連絡調整事業、⑤広域的な支援事業があります。
市町村の必須事業の③相談支援事業だけ補足すると、市町村は相談支援業務の実施に当たり、地域での障害者に関する情報交換や関係機関との連携を図るため、地域自立支援協議会を設置することができます。また、市町村は相談支援業務等の事業を総合的に行うため、基幹相談支援センターを設置することもできます。
今回はここまでで、障害児の障害福祉サービスの内容や障害福祉サービス提供事業者の種類等の説明は次回に譲るとします。