前回は個人版事業承継税制の制度概要についてまとめましたが、今回は個人版事業承継税制の贈与税に係る納税猶予・免除制度について書いていきます。
個人の事業用資産(個人版事業承継税制)の贈与税に係る納税猶予および免除ですが、一連の流れとして、①個人事業承継計画の策定・提出・確認→②贈与→③贈与税の申告期限までの間→④贈与税の申告期限→⑤納税猶予期間中→⑥先代事業者等(贈与者)の死亡等があります。
今回は、①個人事業承継計画の策定・提出・確認→②贈与までの流れを説明します。
まず、①個人事業承継計画の策定・提出・確認ですが、後継者は、先代事業者の事業を確実に承継するための具体的な計画を記載した「個人事業承継計画」を策定し、認定経営革新等支援機関(税理士、商工会、商工会議所等)の所見を記載の上、令和6年3月31日までに都道府県知事に提出し、その確認を受ける必要があります。なお、贈与後でも円滑化法の認定申請時までは個人事業承継計画を提出することが可能です。
次に②贈与ですが、この制度の適用を受けるためには、先代事業者等である贈与者から、特定事業用資産のすべての贈与を受ける必要があります。
なお、個人版事業承継税制の適用対象となる贈与・相続等は、2019年1月1日から2028年12月31日までの間の特定事業用資産の贈与・相続等であることが要件となります。また、先代事業者以外の者からの贈与・相続等について個人版事業承継税制の適用を受けようとする場合、上記の期間内の贈与・相続等で、先代事業者からの最初の適用に係る贈与・相続等の日から1年経過日までの贈与・相続等であることが要件となります。
次回も事業承継税制について触れていきます。