前回は事業承継税制の個人版事業承継税制の贈与税に係る納税猶予・免除制度における⑥先代事業者等(贈与者)の死亡等の流れについてまとめましたが、今回は個人版事業承継税制の贈与税に係る納税猶予・免除制度における先代事業者等(贈与者)が死亡した場合の取扱いについて書いていきます。
先代事業者等(贈与者)が死亡した場合の取扱いとして、①先代事業者等(贈与者)の死亡(相続開始)、②相続税の申告期限までの間、でそれぞれ留意事項があります。
まず、①先代事業者等(贈与者)の死亡(相続開始)の場合ですが、「個人の事業用資産についての贈与税の納税猶予および免除」の適用を受けた特例受贈事業用資産は、相続等による取得とみなして、贈与時の価額で他の相続財産と合算して相続税を計算します。
なお、その際、都道府県知事の「円滑化法の確認」を受け、一定要件を満たす場合、そのみなされた特例受贈事業用資産は「個人の事業用資産についての相続税の納税猶予および免除」の適用を受けることができます。この「円滑化法の確認」ですが、「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」に基づき後継者が相続開始後8ヶ月以内に都道府県知事に対して申請を行う必要があります。具体的な要件・手続は都道府県の担当課に確認する必要があります。
また、②相続税の申告期限までの間の場合ですが、相続税の申告期限までに、「個人の事業用資産についての相続税の納税猶予および免除」の適用を受ける旨を記載した相続税の申告書および一定書類を税務署へ提出するとともに、納税猶予される相続税額および利子税の額に見合う担保を提供する必要があります。
なお、継続届出書の提出期限は、「個人の事業用資産についての贈与税の納税猶予および免除」の提出期限が引き継がれることになります。
次回も事業承継税制について触れていきます。