事業承継税制(個人版事業承継税制#7)

前回までは事業承継税制の個人版事業承継税制の贈与税に係る納税猶予・免除制度についてまとめましたが、今回からは個人版事業承継税制の相続税に係る納税猶予・免除制度について書いていきます。

個人版事業承継税制の相続税に係る納税猶予および免除ですが、一連の流れとして、①個人事業承継計画の策定・提出・確認→②相続開始→③相続税の申告期限までの間→④相続税の申告期限→⑤納税猶予期間中→⑥後継者の死亡等があります。

今回は、①個人事業承継計画の策定・提出・確認→②相続開始までの流れを説明します。

まず、①個人事業承継計画の策定・提出・確認ですが、後継者は、先代事業者の事業を確実に承継するための具体的計画を記載した「個人事業承継計画」を策定し、認定経営革新等支援機関(税理士、商工会、商工会議所等)の所見を記載の上、令和6年3月31日までに都道府県知事に提出し、その確認を受ける必要があります。この流れは、個人版事業承継税制の贈与税に係る納税猶予・免除制度と同様です。なお、「個人事業承継計画」は、相続後でも円滑化法の認定申請時までは提出することが可能です。

次に②相続開始ですが、(A) 後継者(相続人等)の要件、(B) 先代事業者等(被相続人)の要件を充足している場合、都道府県知事に「円滑化法の認定」を受ける必要があります。「円滑化法の認定」を受けるためには、相続開始後8ヶ月以内に申請を行う必要があります。上記(A)・(B)の要件は、次回、詳述します。

なお、「個人事業承継計画」の具体的内容や「円滑化法の認定」の手続等は、都道府県の担当課に確認する必要があります。

次回も事業承継税制について触れていきます。