なぜ公認会計士になろうと思ったか(その1)

公認会計士の資格は地味ですが、知る人ぞ知る難関資格と言われております。

それを知っている方からは、もともとの頭がいいから合格したのでしょうという、ありがたい(?)誤解を受ける時があります。

ただ、自分は天才などには程遠く、ただ、頑張るべき時に死に物狂いで努力したから、何とかここまでやって来れたというのが正直な感想です。

 

公認会計士の資格を取ろうと思い始めたのは、社会人年目の頃でした。

大学在学中は簿記3級と宅地建物取引士の資格を取ったくらいで、公認会計士や税理士になろうなんて、ミリも思っていませんでした。

おまけに宅地建物取引士は大学年生の秋に受験したので、就職活動に間に合わなかったという、ちぐはぐ具合でした(ただ、後述しますが宅地建物取引士は就職後の配属で役に立つのですが…)。

大学年生の頃にいわゆるバブル経済崩壊となりましたが、大学生の時の気分はバブル経済時代のままで、その後訪れる就職氷河期も何とかなるだろうとタカを括っていました。

日々、刹那的に過ごし、最後にうまく有名企業に就職できれば安泰だと、当時は安易に考えていました(いま考えると恥ずかしい限りです)。

大学年生で迎えた就職活動で自分が何をしたいのかが分からず自分探し途中で、一部上場の食品メーカーに何とか内定をいただいたので、就職活動も自分探しもそこでやめてしまいました。

なので、大学生の頃から難関資格を目指してストイックに勉強されている方ややりたい仕事が明確でそれに沿った就職活動をしている方を見ると、素直に尊敬します。

 

就職してから最初の年は営業としてルートセールスをしていましたが、宅地建物取引士の資格を持っているということで、年目に総務(法務)の方に配属されました。

自分探しを中途半端な段階で終わらせていましたが、法務の仕事を担当してはじめて、本当に自分は何をしたいのか見えてきました。

そうか、自分は専門知識を生かして人の役に立つ仕事がしたいのではないか…と。

その時、大学生の頃に簿記級の勉強で貸借一致する爽快感を思い出し、また、大学時代の友人が着々と税理士科目合格を積み上げている話も聞いていました。

そこで、科目合格を積み上げることで働きながらでも資格が取れる税理士の資格を目指すことにしました。

法務の仕事は比較的、時間の融通が利き、調整次第で定時に帰れることも多かったため、簿記学校の税理士講座(簿記論と財務諸表論)を申込み、平日夕方と週末を勉強に充てることにしました。

しかし、勉強しているうちに、全国転勤の可能性もあり希望を出しても親元の九州に帰れる保証がない会社に長くいてもいいのか、自分が思い描く人生設計ができそうな職業に早いうちに方向転換した方がいいのではないか、という疑念がわいてきました。

それなら、公認会計士という選択肢の方がベターなのではないかと、段々思うようになったのです。

結局、大卒後最初の就職先は年で退職し、税理士試験から公認会計士試験に方向転換しました。