公認会計士試験合格までの道のり(その4)

以前、公認会計士は難関資格と言われていると書きましたが、当時の公認会計士二次試験の合格率は7~8%程度でした。

3回目の受験の失敗により、苦手科目がある以上、残りの科目は論文式合格者レベルの平均的学力+αでないとこの試験を突破できないと悟りました。

2~3年、朝から晩まで勉強していれば、大部分の科目は、論文式合格者レベルの平均的学力あたりまで行くことができます。

しかし、7科目全てをそのレベルまで持っていくことは難しく、程度の差はあれ、皆何かしらの苦手科目を抱えているものです。その苦手科目のマイナス分を補って余りある得意科目を持つことで合格ラインを超えることができるのです。

論文式合格者レベルの平均的学力があり、苦手科目もあわよくば無難にこなせれば合格するであろうとした自分の考え方が甘かったとしか言えません。

苦手科目の原価計算をできるだけそのレベルに近づけるとともに、監査論・商法・民法あたりは相互にリンクする部分があるので、相乗効果でそのレベルを大きく超えるようにする、といった戦術を取りました。

計算科目の簿記・原価計算を得意科目にするというのが王道スタイルですが、原価計算を得意にできない以上、邪道ですがこのような戦術を取らざるを得ませんでした。

しかし、暗い話ばかりでなく、4回目の受験で追い風が吹いてきました。

成績が一定以上だと適用される授業料の割引制度が使え、資金のやりくりが少しだけ楽になりました。

次に、TACの新宿校が新設されました。いままでの池袋校より近くなって通学時間が減り、また、新設校なので自習室の席も比較的確保しやすかったです。

これにあわせてアルバイトも新宿のタワーパーキングの受付・誘導の仕事(金・土の夜勤)に変えました。ここの社長・専務が大変理解のある方で、車通りが減りほとんど仕事がない深夜1時から6時くらいの間は、仕事の合間に受験勉強してもよい、としてくれました。

これらにより、勉強時間が確保しやすくなったので、平日は7時の開門からより22時の閉門までTACにいて、12時間前後は勉強していたと思います。

また、学習スタイルも、締め切り効果を利用して、10月から翌3月まで答練を1日おきに受けるように全日程を組みました。2日間で答練の出題範囲を完璧に回し、答練後すぐ復習することでインプットとアウトプットの精度を高めていきました。

出費は1日千円以内に抑えるようにしたので、吉野家の牛丼→リンガーハットのちゃんぽん→松屋の牛丼→富士そばのかつ丼(当時はいずれも1食3~400円程度で食べられた)のヘビーローテーションでした。

受験前最後の論文式全国模試もそこそこの成績でしたので、今年こそはと臨んだ4回目の受験でしたが、まさかの短答式不合格で、論文式に進めませんでした。

前にも書きましたが、短答式は簿記・原価計算・財務諸表論・監査論・商法の5科目で行われます。1科目10問の全50問を3時間で解答し、年度により合格最低点は異なりますが7割前後の正答率が求められます。

得意科目の商法は10問中9問正答するなど順調でしたが、苦手科目の原価計算がまさかの10問中2問で過去最低点を取ってしまい、挽回できませんでした。本当にショックでした。

しかし、3年前はここで心が折れてしまいましたが、手ごたえを感じていたので、4回目の受験に失敗した今回は心が折れませんでした。

次ダメだったら受験を諦めようとの覚悟、まさに背水の陣で5回目の受験に挑みました。